(投稿題はタイトル訳)
とある。
リビアに6000人もの強力な外国の軍隊が派兵されるとなれば、大見出しのニュース記事として取り上げられ、この作戦が許可される前に激しい議論が巻き起こってもよさそうなものだ。にもかかわらずなんの議論もなく、国民の許可もなく、小さくメディアに取り上げられただけで、米、英そしてリビアのもと殖民宗主国のイタリアを含めたヨーロッパの軍隊が、またもやリビアへの直接軍事介入を推し進めようとしている。
ミラー紙には、「SAS(陸軍特殊空挺部隊)がイスラム国の石油強奪を停止させる攻撃の先陣を切る」で、欧米の6000人の兵士が、ISISの5000人のテロリストと対峙、とある。このことは、欧米の介入の真の意図と、彼らが戦うために介入するという、その敵の本性との両方について、真実であるのか疑問がわく。
軍の原則では、普通侵攻側が、防御側よりも兵数が圧倒的に勝るようにするものだ。例えば、2004年のイラクの都市ファルージャでの戦闘中、米国は一万人の兵士を、3千から4千の防御側に対して配置した。つまり、リビアでは、ISISに直接対峙し、壊滅させるための大規模な掃討作戦は意図されてない。いろいろな場所で行われている欧米による他の介入と同じように、むしろ、ISISの脅威を恒久化させ、それによってリビアと、それより広範囲に及ぶ欧米の外国への軍事介入の正当化が恒久にできるように企画されている。
まずリビアに足がかりを作り、それが意図的に長引くように仕組み、それが北アフリカ全てをカバーする米国のアフリコム軍事作戦を支援するよう拡張されることは必須だ。
米国と英国は、自分たちが政権に就けたテロリストと「戦っている」
2011年から地政学アナリストらが説明してきたように、アル・カイダのようなテロリスト組織とその幾つかのブランド名変更版は、欧米の真の敵対者からは程遠い。欧米の中東での最も近しく、古くからの同盟国、特に、サウジアラビアとカタールから資金を与えられ、武器を供給され、支援されているというだけでなく、これらのテロリスト組織は二重の目的に貢献するからだ。一つ目は、彼らが、欧米が標的とした国と、欧米の代理として戦う傭兵としての機能。二つ目は、代理戦が失敗したり、そのような選択肢が可能でないときに、欧米が直接軍事介入するための口実となることだ。
このことは、1980年代にアル・カイダが発生した当初から、アフガニスタンでソ連と戦う、米国とサウジアラビアの代理戦力として用いられたことが、一番最初の実例として挙げられる。2001年には、アフガニスタンでのアル・カイダの存在が、米国が侵攻し、占領することの口実となり、それが今日でもなお、続いている。
2011年には、文字通り、これらの同じテロリストらが、リビア政府を崩壊させるために組織され、武器を供給され、資金を受け、そしてNATOの上空援護を受けた。そこから彼らは再武装され、NATOメンバーであるトルコに送り込まれ、そこから北部シリアのイドリブと重要都市のアレッポを侵略した。
ビジネス・インサイダーは、その記事、「レポート:米国は公然と重火器をリビアからシリアの反乱軍に送っている」 の中で、
米政府は、ベンガジでの以前極秘であったCIAによる作戦は、リビア政府の兵器庫から略奪された重火器を見つけ、再購入し破壊することを含むと述べたが、しかし10月に我々は、米国政府職員、特に、殺害された大使のクリス・スティーブンスが重火器がリビアから聖戦主義シリア反乱軍に輸送されていたことを少なくとも知っていたことを示す証拠をリポートした。
シリアでは2012年の夏という早い時期から、幾つかのSA-7の可能性のある弾着が観測され、現在までに、ガダフィーの2万機の携帯式熱追尾ミサイルの、少なくとも幾つかが輸送された形跡がある。
9月6日には、シリアの反乱軍への武器400トンを積むリビアの船が、南トルコに停泊した。その船の船長は、リビア新政権のために働いている「ベンガジから来たリビア人」であった。この輸送を組織したトリポリ軍事評議会の議長であるアブデルハキム・ベルハジは、リビア革命中に直接スティーブンスと働いていた。
ビジネス・インサイダーが、アブデルハキム・ベルハジがスティーブンス大使と直接仕事をしていたと述べたことは特に重要だ。ベルハジは、米国国務省が海外のテロリスト組織としてリストに挙げている、リビアのアル・カイダ、リビア・イスラム闘争グループ(リビア・イスラム戦闘集団と訳されることもある。LIGF)の、指導者そのものだからだ。彼が明らかにアル・カイダと繋がっているにもかかわらず、2011年のリビア戦のときに彼は、公然と米国の支援を受けており、その後、NATOの政権挿げ替え作戦が完了した際にはアリゾナ州上院議員のジョン・マッケインと写真にポーズを取って収まっている。LIGFのリーダー、アブデルハキム・ベルハジは、伝えられるところによれば、現在リビアのISISの上級指導者でもある。
フォックスニュースの2015年3月の「ヘリッジ:ISISはリビアを新たな支援基盤、安全避難所に変えた」と題するリポートでは、
欧米がISISと戦っていないのは明らかだ。それどころか、中東と北アフリカ地域の全域で、その軍事的、地政学的な戦略を正当化するために、そして、地域的、全世界的な政治、軍事、経済的な覇権を追求するためにこれを生み出し、また、意図的にこれを恒久化しようとしているのは明白だ。北アフリカのISISの指導者のひとりとされているのは、リビア人のアブデルハキム・ベルハジで、彼は2011年にリビアの独裁者ムアマール・ガダフィを失脚させるにあたり、米国からは積極的なパートナーとみられていた、とへリッジは報告した。「今や彼は、ISISと強固に同盟関係を結び、北部リビアでトレーニング・キャンプを支援している」とへリッジは述べた。
ハリウッドの舞台セットで、出来の悪い続編映画に使われる小道具のように、紛争で使われた武装トラックという道具そのものも、リビアの「反政府」の紋章がついていたものが、文字通りISISの旗のイメージで上塗りされた。2011年NATOの介入によって、我々はリビアに平和、安定、「自由」そして「民主主義」がもたらされると約束された。米英とヨーロッパの介入によって破壊され、テロリストがはびこるリビア。欧米の介入によってもたらされる同様の運命に他の国々、特にシリアを委ねることの危険性は十分理解できるはずだ。
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