2016年11月8日火曜日

ジュリアン・アサンジ、ジョン・ピルジャーによるインタビュー抜粋:ヒラリー・クリントン大統領候補

以下は2016年11月5日にグローバル・リサーチに掲載された、ジョン・ピルジャーによるジュリアン・アサンジのインタビュー、「米国選挙の秘密(Secrets of the US Election)」の中で、ヒラリー・クリントンについて述べられている部分を抜粋して訳したものだ。このインタビューはロンドンのエクアドル大使館で行われた。

オリジナルインタビューの動画と、その英文の写し
 http://www.globalresearch.ca/secrets-of-the-us-election/5555141

ジョン・ピルジャー:

これらの(ヒラリーの)Eメイルは、資金のための接見と、そこから彼女自身がどのように利益と政治的優位を得てきたかを証拠づける驚くべきものだ。カタールの代議士が100万ドルの小切手でビル・クリントンとの5分間の面会をしたことを思い出していたんだ。

ジュリアン・アサンジ

モロッコからは千200万ドルだった...

ジョン・ピルジャー

そう、モロッコから千200万ドル。

ジュリアン・アサンジ

ヒラリー・クリントンに(パーティーに)出席してもらうのにね。

ジョン・ピルジャー

これらのEメイルが暴いた最も重要な点は米国の対外政策であり、中東においてヒラリー・クリントンがISILの聖戦主義の基盤と直接つながっていることを明らかにしたことだ。ISILの聖戦主義者(ジハーディスト)と戦っているはずの人間が、実際はそれ(ISIL)を生み出すのに手を貸していたという関係を、これらのEメイルがどのように証明しているか話してくれないかな。

ジュリアン・アサンジ

2014年初旬、ヒラリー・クリントンが国務省を去ってから間もないころ、彼女が選挙戦マネージャーのジョン・ポデスタに宛てたメールで、ISILはサウジアラビアとカタールの政府から資金を受けていると述べたものがある。これは、すべてのメールのなかで最も重大だ、というのも、サウジとカタールの資金はクリントン基金の隅々までいきわたっているからだ。米国政府ですら、サウジの人物の幾人かがISIL/ISISを援助していることを認めている。ただ、いつもそれは、サウジのならず者王子の数人が石油収入の分け前を使って好き勝手をしているが、サウジ政府は(そのような行為を)認めていないのだ、という言い逃れをしてきた。このメールは、そうじゃない、サウジとカタールの政府がISISに資金を与えてきたのだ、と言っている。

ジョン・ピルジャー

サウジアラビア、カタール、モロッコ、バーレーン、特にサウジとカタールは、ヒラリー・クリントンが国務長官で国務省が膨大な武器販売、特にサウジアラビアへのものを認可していた時に、これらのすべてのお金をクリントン基金に与えていた。

ジュリアン・アサンジ

ヒラリー・クリントンのもとで、今までで世界で最大の、サウジアラビアに対する8千万ドルを超える(価格の)武器取引が行われた。実際、彼女が国務長官であった間に、ドルで換算して米国からの武器輸出総額は二倍になった。

ジョン・ピルジャー

その結果はもちろん、クリントン基金に資金を与えている同じ人物のお金を主としてISILまたはISISと呼ばれる悪名高きテロリストが作り上げられたということだ。

ジュリアン・アサンジ

そう。

ジョン・ピルジャー

驚嘆すべきことだ。

ジュリアン・アサンジ

実際、ヒラリー・クリントンのことは、人として気の毒に思うよ。己の野望によって生きながら浸食され、文字通り病気になるほど苛まれ、野望の結果(その反応として)失神するまでになった人物だから。彼女は一連の人物のネットワークと特定の国々の関係ネットワークを代表している。問題は、ヒラリー・クリントンがこの広範囲なネットワークのどこに位置しているかということだ。彼女は中心化された歯車の歯だ。色々な歯(ギア)、例えばゴールドマン・サックスのような巨大銀行の数々とウォール街の主要な要素、諜報機関と国務省の人々、そしてサウジなどが存在する。

彼女はこれらの様々な歯車を結びつける中心化装置だ。彼女はこれらすべてをスムーズに中央で代表している。「これらすべて」というのは、現在米国で権力の座にあるものと大体同じ意味だ。それは、いわゆる権力複合体(エスタブリッシュメント)とかワシントン合意(コンセンサス)と呼ばれるものだ。公表されたポデスタのメールで最も重要なものの一つは、オバマ大統領顧問団がどのように組織され、その閣僚(と閣僚級高官)の半分が要するに、シティバンクの代表によって指名されていたかについてだ。驚かされる内容だ。

ジョン・ピルジャー

シティバンクがリストを渡さなかったかい?

ジュリアン・アサンジ

渡した。

ジョン・ピルジャー

それがオバマ顧問団のほとんどのメンバーとなった...

ジュリアン・アサンジ

そうだ。

ジョン・ピルジャー

ウォール街が合衆国大統領の顧問団(閣僚)を決めているってことかい?

ジュリアン・アサンジ

もし君がオバマの選挙戦を当時つぶさに観察していたのなら、銀行利権と非常に近しくなっていたことが分かったと思う。

だから、ヒラリー・クリントンの対外政策は、サウジアラビアを理解することなしに、きちんと理解できることはないだろう。サウジアラビアとの関係はとても親密だ。

ジョン・ピルジャー

なぜ彼女は、これだけあからさまにリビアの破壊に熱意を持っていたのだろうか。Eメールでリビアで起こったことの何がわかるかを少し話してくれないかな。というのも、リビアはシリアでの争乱とISILの聖戦主義その他の源だし、ほとんどヒラリークリントンの侵略といっていいものだからだ。そのことについて、Eメールはなんて言っているんだい?


ジュリアン・アサンジ

リビアは他の誰よりも、ヒラリークリントンの戦争といえるものだ。バラク・オバマは最初は反対していた。誰が擁護推進していたか?ヒラリークリントンだ。このことは彼女のEメールを通して証明されている。彼女はお気に入りの代理人シドニー・ブルーメンタールに、その方向に向かわせた。我々が公表したヒラリー・クリントンの3万3千のEメールのうち、1700はリビアのみに関するものだ。リビアに安い石油があるから、というのではない。ガダフィを取り除いてリビア国家を転覆させることは、大統領選の候補として利用できるものとみられていた。

それで、2011年の終わりに、ヒラリー・クリントンのために、リビア・チクタク(Libya Tick Tock)という内部文書が作られた。これはヒラリー・クリントンがリビアの破壊で中心的な人物であった様子を経過順に記述してあるものだ。この破壊の結果として、リビア国内で約4万人が死亡し、聖戦主義者、ISISらが侵入し、ヨーロッパの難民と移民危機に至った。

人々はリビアのみから逃避したのではない。シリアからも、そして武器の流入によって不安定化した他のアフリカの国々からもだ。だが、リビア国家自体の免脱で、リビアを通過する人々の動きをコントローすることができなくなった。リビアは地中海に面していて、アフリカという瓶のコルク栓として効果的に機能していた。だから、アフリカでのすべての問題、経済問題と内戦によって逃避した人々は、以前はヨーロッパに行きつくことはなかった。リビアが地中海の警備をしていたからだ。このことは当時、2011年の初期にガダフィが明確に述べている。「いったい、リビアを爆撃して破壊しようとしているヨーロッパ人らは、自分たちが何をやっていると思ってるんだ。ヨーロッパにはアフリカからの移民と聖戦主義者が津波のように押し寄せるだろう。」それが実際起こったことだ。